「モダンってどんな踊りですか？」と聞かれることが多いのですが、なかなか一言で表現しづらいのが正直なところです。

 

今はメディアであったり学校でもダンスがありますから（⇒学校教育におけるダンスについては別で少し深めて書きたいと思っています。）、その中で比較的認知度の高い他ジャンルのダンスと比較してみますと、以下のようになります。

 

 

＊クラシックバレエとの違い

 

ベースは同じです。

ですがあくまでベースであって、形式美を重んじるクラシックと異なり、バリエーションが豊富で崩すような動きも少なくありません。

 

また、音楽もテーマも決まったものがあるわけでなく、構成・振付者により様々です。

 

衣装もチュチュに限らずストレートラインのものもあれば全身タイツのようなものもあれば、本当に作品によって様々です。

 

そして恐らく最も大きな違いが、トゥシューズを履かないことです。

レッスンの際にバレエシューズを履くことはありますが、トゥシューズは履きません。

舞台では裸足が基本です。

（※クラシックからの脱却として、トゥシューズを脱ぎ捨てて踊り出したのがモダンの始まりだというお話があります。）

 

トゥシューズを履きポワントで立つことは、クラシックの形式美を体現したものと言えます。

しかしこれは肉体に非常に負担が大きく、体格や動きを制限するものです。

モダンでは動きの制限をすることは少ないため、体格や体機能を問わず、踊ることができます。

 

 

＊ジャズダンスとの違い

 

まずダンスとしての発祥の経緯に特徴があります。

観せることを主眼としているバレエ（モダン含む）に対し、社会への風刺や訴えを表現することがジャズダンスになります。

ただし、クラシックと異なりモダンでは抽象性を増した作品作りが可能であることから、振付者によっては社会への風刺や訴えの表現もあります。

それがモダン作品となるのは、個々のステップ動作が主のジャズと異なり、物語のある構成であるためです。

 

ジャズは全くの個人で成り立たせることが可能です。

そのためショーに向きます。

一方モダンは先述の通り物語のある構成がほとんどで、踊りだけを取り出すということが非常に難しく、ショーに合わせづらい面があります。

個のテクニックか集合の物語か、求められることによってジャズかモダンかに分かれると言えるでしょう。

 

最近はストリート系（主にヒップホップ）とジャズダンスが似通っている傾向が多く、音楽シーンなどでそういったいわゆるダンスミュージックが流行っていることから、バックダンサーにジャズという傾向が強いです。

しかし歌謡やムード曲といったものにはモダンに親和性があり、バックダンサーが用いられることは少ないもののモダンが取り入れられることもあります

​